テニスサークル最弱選手権

夕方、家の近くの大きな公園を自転車で通ったら、テニスコートでどこかの大学のテニスサークルが練習していた。
そこのテニスコートは、午前中はママさんサークルが、午後や夜は大学生が利用しているのだが、午前中に行くことはないが、若い声がするとつい気になってテニスコートを見てしまう。そして、いつも思うのだ。「忘れてた!俺はテニスサークルに入るんだった!」と。


うちの親父が若い頃から硬式テニスをやっていたので、俺は比較的テニスには近い環境だったはずだ。現に、子どもの頃は野球ボールよりテニスボールが身近で、テニスボールでキャッチボールをしたり、友達とわざとテニスボールを使った野球をして、結構広い駐車場で場外ホームランを打つ快感にひたったものだ。
今は誰も信じちゃくれないが、小学校の頃は、6年間連続で、クラス選抜のリレーの選手に選ばれた。3年生の時は、低学年リレーのアンカーをまかされて、私に2位でまわってきたのだが、ゴール寸前でさして逆転し、グラウンドが拍手喝采にあふれかえったこともあった(らしい。記憶にないが)。


それがどうだ。
中学生の時に、卓球部を選んだのがまずかった。俺の身体能力は、肝心の成長期になってから伸びることなく、無駄に卓球スキルだけあがってしまった。
こんなスキルをあげたって、温泉に行って、そこに置いてある全然ダメなラケットによる卓球でちょっと自慢できるしか取り柄がない。
そして、高校に入って事件が起きる。1年生の時に、陸上競技会があり、学級会でクラス対抗のリレー選手を決めていた。運動経験者がいたので、3人はすぐに決まったのだが、あと一人が全然決まらない。まあ、はっきり言って、面倒くさいやな。
それで、今日中に決めないと帰れないと先生から脅され、仕方なく、俺になった。
つーかさ、どうみても、俺、文化系じゃん。どう見たって、走れるわけないじゃん。つーか、てめえの方が悪いことした後の逃げ足早いだろ!ってヤツもいたんだけど、嫌々俺にされた。
それでも、小学校の時はアンカーもやった。まあ、大丈夫だろうと思って、当日を迎えた。
第三走者だったが、実に見事だった。
ごぼう抜きである。逆ごぼう抜きである。
どんどん抜かれていった。
短距離走だったが、なんとか完走できて良かった。そんな走りである。息を切らしてどころじゃなく、軽く意識を飛ばして、グラウンドの上に大の字になった。
大会も終わり、教室に戻ったんだけど、そこで、誰か俺に言えばいいのに、変に気を遣いやがって、誰も声をかけないんだもの。ツッコミがねえんだもの、逆にヘコむわ。
そっからだな、軽く人間不信になったの。俺、全然悪いことしてないからね。俺を選んだキミたちが悪い。


これを見ている中学生諸君。先輩から言っておくが、中学生は運動部に入った方がいいよ。はっきり言おう。女の子にモテるスポーツをやった方がいい。あとあと、絶対役に立つから。で、ダメだなと思ったら、高校入ってから、文化系に行きなさい。


そんなわけで、もしかしたら、第二の松岡修造になれたかも知れないチャンスを、中学入学時に早くも捨てていた私だが、せめて大学の時はテニスをやっていればよかった、と思う。
大学生=テニスサークル=コンパ(合コン)というイメージがすごいあります。サークルにも、ピンからキリまであって、将来プロになるような練習真面目なサークルもあれば(少ないけど)、ほとんど女の子目当てのサークル(多いでしょ)もある。後者に入っておけば良かった。
遊びで、正直テニスなんてどうでもいいって感じのサークルだね。今日、公園で見たサークルもそんな感じだったもん。どうせ、高校からの経験者なんていないんだから、横一線。さすがに、俺も初めての女の子よりは上手いだろう。
1年すれば、かわいい後輩の女の子も入ってくる。そうすれば、教えてやれるわけだ。
ああ、想像は膨らむが、こういうことを書いてる時点で、俺は文化系なんだろうなあ。


つーわけで、なんだかんだで、テニスが強い国の中でも、大学生のテニスの平均実力はかなり低いと思いますよ。実際、テニスとは名ばかりで、中身は飲み会サークルも多いはず。
だからこそ、私がぜひ見たいのは、「全国大学別テニス最弱選手権」。もちろん、真剣にやってもらいますけど、どれだけテニスが下手かと、チャラチャラしてるかを競います。で、総合して弱い方が勝利です。これをトーナメント方式で争うわけですが、きっと決勝は短大どうしだと思います。