自肛門を切ると

私の部屋には、かれこれ6年近くいるダブルMDコンポがあります。
しかし、6年の間にはいろいろなことがあり、はっきり言って満身創痍です。
ダブルMDなので、MDを入れるところが二つあるのですが、片方一つにMDがつまっています。
しかも、1枚だけ入る入り口(A)と、3枚入る入り口(B)があるのですが、ご丁寧に3枚入る方に1枚が居座っています。
救われているのは、取り出すことはできずに入れっぱなしなのですが、録音や再生はできるのです。
ダブルMDの魅力は、MDからMDにダビングができるところですが(厳密に言えば、アナログ録音になる)、一枚が入りっぱなしのため、ダビングする際は、AにMDを入れてBに移してから、Aを入れ替えて録音するという手間が入ります。
この状況が、もう数年に渡っていますので、私は勝手にこのBを「ハードディスク」と呼んでいます。


他にも、ネジがどこかに飛んでいたり、フタが壊れていたり、表面が傷付いていたり、CD-1に入れたCDがどういうわけかCD-3から出てくるといった離れ業をやってのけたり、もう”おじいさん”なのですが、このじじいが、最近、人を見るようになったのです。
CDを聴く分には普通なのに、ダビングする時に音を飛ばすのです。
しかも、このくそじじいは、俺が飛ばないかどうかちゃんと聞いている時に飛ばすのです。で、用事があって、俺が部屋にいないとしっかり録音してくれるのです。
最初は、CDのレンズが汚れているのかと思い、クリーナーを使うのですが、何ぶん、普通に聴けるので問題はないのです。


今日は、特にやることもなかったので、じじいがちゃんと飛ばさないように、耳をすまして聴いていたのですが、3回連続で飛ばしやがりました。
CDを見ても傷ひとつついてないので、明らかにじじいが悪い。こうなりゃ、根気比べだと思い、4回目をスタートさせました。
ちょっとお腹が痛かったので、トイレに行きました。した後を見ると、トイレの水はモノと血に染まっていました。ここ2〜3日、大をすると血がつくのです。さらーっと。拭いた紙にもついているので、ものすごいテンションが低くなりましたが、へこんだところでどうしようもないので、水を流して部屋に戻りました。


すると、どうでしょう。じじいがちゃんと録音しているではありませんか!
「じじい、やればできるじゃないか」という気持ちと同時に、「てめえ、俺が肛門から血を流したらちゃんとやるのか!」と、ちょっとむかつきました。
しかし、じじいはやっぱりじじいです。1曲目はちゃんと録音したのですが、2曲目開始10秒で飛ばしました。トイレから帰ってきた俺の目の前で。


みんなが新しいコンポを買えば?と言うのですが、なかなかこのじじいもいいやつなのです。俺の気のせいかもしれませんが、俺の好きな低音をやたら強調してくれて、いい録音をしてくれるのです。
いろんなところがおかしくなってきてますが、Aに録音できなくなったら、新しいMDコンポを買おうと思っています。
じいさんよ。それまで、MDをどんどん録音してくれ。


※ちなみに、今日飛んだCDはSOUL’d OUTの『イルカ』ですが、「イルカだけに飛んだ」とは、口が裂けても書きません。