グロ落語

タイガー&ドラゴン」とは全く関係なく、最近落語を聴くようにしている私ですが、たくさん聴いているうちにいろいろわかってきました。
まず、江戸と上方に分かれるわけだけど、自分には上方はどうもダメだとわかりました。北海道出身の私ですが、関西弁がよくわかりません(中には、何を言っているか聞き取りにくいのもある)。
そして、好きなのは人間国宝柳家小さん師匠ね。あの新しく襲名するので、いわゆる先代のね。わかりやすく言うと、永谷園の「あさげ」の方ね(わかりやすいか?)。
若手の落語家さんに多いんだけど、落語独特の話し方(クセ)がある。あれが私には気になるんだけど、小さん師匠は実に自然な口調。厳密に言うと、落語口調ではあるんだけど、ひとりでしゃべっているのに、聴いているとほんとに江戸時代にタイムスリップした気分になる。ほんとにこういう人たちがいるんだな、と感じる。
あと、間が素晴らしいので、本題に入る前のちょっとした話でも、普通に笑える。今お笑いブームに日本は包まれているけど、普通の小咄でも、あんなに笑えるのはすごいと思う。ある意味、時代を超越している。


しかし、落語は怖いと思う。怪談ものではない。設定が怖い。笑える設定、現実からぶっとんだ話もあるんだけど、『本当は恐ろしいグリム童話』よろしく落語も怖いぞ。
例えば、「犬の目」という話。目の調子が悪いということで、男が目医者に行くんだけど、いつの時代かわからないけど、MADな医者なのだ。目が汚れているというので、目玉を取り出して洗うと言うのだ。そして、洗った目玉は乾かしておかなければならないので、その間、男は目玉なしなのだ。
しかも、簡単に目玉をとる。おそらく、麻酔もしてないはず。電球じゃないんだから。
しかし、医者の弟子がヘマをして、乾かしていた目玉を飼っていた犬が食ってしまう。
もう怖いよ。
どうしようということになって、これじゃ悪いから、この犬の目玉を移植することになった。
オチは、まあ笑えるんだけど(ここでは書きませんよ)、落語だから笑ってくださいよってなるけど、正直、ホラーだと思うんだけどなあ。


今日NHKの「日本の話芸」で放送されたのは、「首提灯」。題だけで、ヤバい気がする。
いろいろあって、男が侍に首を斬られてしまう。が、最初は気づかずに、なんか首の当たりがおかしいな、みたいなことを言う。
首斬れてるのに。怪奇以外の何物でもない。
男もようやく気づく。だから、なるべく首を落とさないように、手で押さえる。
怖いよ。
すると、正面から提灯を持った男たちが大勢やってくる。ぶつかると間違って落としてしまうから、人の流れにまかせて、男は首を手に持って一緒に走る。それを見ていたある人たちの会話「あの男、おかしいな。提灯もたずに、首持ってるよ」「ほんとだ、火を出さずに血を出しているよ」。おあとがよろしいようで。
全然よろしくないよ。笑えねーよ。ダジャレだけど、全然笑えねえ。


落語こわい。