これぞカツノリ野球

今日は天気も良かったので、フルキャストスタジアムに行って、中日-楽天戦を見てきた。そこで、野球を見る前に感動的な出来事があったんだけど、それはid:dmworldhh:20060705の方で書こうと思う。


さて、順位の上ではぶっちぎり最下位の楽天。ただ、最近は勝ったり負けたりもするし、巨人も調子悪いから、あまりインパクトがない。地味に負けて最下位というのもいいんだけど、どうせ負けるなら大量得点取られて負けたり、何連敗して最下位にどーんといてほしいものだが。


さて、今日ははじめて楽天の外野自由席に座り、いっしょになって応援しているフリをしてきた。当たり前のことだが、そこは楽天を応援しているファンがいっぱいいた。というのも、私は「楽天ファン」というのは、別に楽天じゃなくて、野球そのものが東北で見られればいいな、と思っているものだと思っていたのだが、ここに座っていると、楽天そのものが好きな人も結構いるんだな、と感じた。


試合を最初から最後まで見てきて一つ思ったのは、カツノリに対してみんな冷たいのである。打率も低いし、今日もチャンスを何度もフイにしてきた。そもそも、大した実力もないのに、親の七光りでチームに居おって!という目で見られている。


だが、楽天ファンよ。それは違う。カツノリはあれでいいのだ。あれでこそ、カツノリ野球なのだ。


9回裏。三人で抑えられれば、カツノリにギリギリまわってこなかった。俺は心の底から、カツノリにまわしてほしい、と祈っていた。すると、ヒットなどで、ワンアウトランナー1、2塁でカツノリに回ってきた。
ここでタイムリーを打っても、点差はあるので勝ち目は薄いが、序盤からストレスがたまっている楽天にとっては、最後の見せ場である。
ファンの多くは「代打ー!」と野次っていたが、いやいや、そこはカツノリが出るのである。
そして、俺の希望通り、しょぼい内野ゴロでダブルプレー。ゲームセットである。お客さんはカンカンだったが、俺は爆笑である。


ファンはだいぶ頭にきているとは思うが、待ってほしい。いいですか。楽天ですよ。そもそも弱いチームなんだから、そんなに期待してはいけません。もっと大らかな気持ちで野球を見ましょうよ。
今、プロ野球界でいちばん面白い男、そう、カツノリが楽天にいるんですよ。


考えてごらんなさい。ふつうは、9回裏の最後のバッターで、たとえホームラン打ってもサヨナラにはほど遠い状況できちんとダブルプレーにしてくれる、おもしろ野球選手はいませんよ。今で言う、逆新庄ですよ。チャンスになると回ってきて、しかも、ある意味期待通りに答えてくれるカツノリの才能を考えてごらんなさい。なかなかないよ。しかも、素人じゃなくて、プロなんだから。すごいんだよ。


みんな一生懸命やってる。だけど、負ける。それが楽天野球なのさ。負けるこからこそ楽天なのだ。その負けっぷりを楽しもうよ。無駄に負けるのもよし、一点差で惜敗するのもよし。なんの面白みもない負け方もよし。どんどん負けてほしい。ただ、最低限、みんな必死でボールを追いかけること。これが欠けてしまっては、プロではない。一生懸命やるからこそ、ダブルプレーで爆笑できるのだ。


まだ球団が出来て2年目なので大丈夫なのだが、今日の試合を見ている限り、そろそろ飽きられてきているフシはある。このまま負け続けていると、ファンが来なくなることも考えられる時期になってきた。
でも、俺みたいに楽天は負けるから面白い、という日ハムファンがいるということも忘れないでほしい。


ただ、楽天で一つ誇れるのは、毎試合毎試合がお祭りのように盛り上がっていることである。2年目の球団にしては、球場の外のイベントが毎回毎回面白い。食べ物のお店もいっぱいある。この辺りは、野球を楽しもうという盛り上がりが感じられて、さすが祭り大好き東北人だな、と私は好感を持っている。