俺たち童貞党

私はモテない男だ。しかし、ありがたいことに、こんな私にも彼女がいる。
顔がかっこいいわけでもなく、お金を持っているわけでもなく、かといって性格がとりわけ良いわけでもないのだが、彼女がいる。
いったい、私の彼女は私のどこに惚れているのか。ほんとにありがたいだけじゃなく、申し訳ない気持ちである。

今日はのろけ話ではなく、モテないという話だ。
以前の日記でもちらっとふれたが、私は「童貞族」または「童貞党」である。
これは、実際の経験の有無ではない。考え方、思想が童貞なのである。
フォローではないが、私は遅い方ではあったが経験済みだ。
例で言うと、女の子をいまだに「女子」と呼んでいるのは童貞党である。
女友達なんてものは存在しないと考えているのは童貞党である。
基本的に「女子」にある程度の距離感を持ちたいと考えている(持っている)人たちのことを「童貞族」「童貞党」と私は言っている。
党首はタモリさん。副党首は、みうらじゅんさんと伊集院光さんと勝手に決め、崇めている。が、もちろん宗教ではない。

童貞党は身近に女の子はいない。いなくてもいい。生きていけるのだ。
だから、自分の半径2メートル以内に女の子がいると緊張する。そこにイヤらしい気持ちは全くない。何をしていいのかわからず、緊張するのである。
先日、久々に若い女の子19歳が自分の近くに来た。車に同乗したのである。
その女の子は、シャカラビッツのボーカルに似ている。というと、だいたいのイメージがつくだろう。
いわゆる今どきの女の子だ。童貞党が不得意とする人だ。
私も緊張して何をしゃべったらいいのかわからなかったが、好きなアーティストやテレビの話なんかしてみた。別にしゃべらなくてもいいのだが。
好きなアーティストはこれといってないが、aikoGacktなどに興味があるらしい。
テレビは、ロンブーの番組が好きらしい。

私と話が合うわけがない。

そんなに会話したわけではないが、若者言葉も使いだした。「キョドってる」
挙動不審の意味というのもわかるし、そういう言葉があるということも知っていたが、実際に使っている現場ははじめてだった。

童貞党は、今どきの女の子にあこがれる。ただ、つきあいたいという気持ちとはまた違う。実際、近くにいられると非常に困る。イヤらしい気持ちはほんとにない。

私のような童貞党は、日本にかなりいると思っている。国会の第一政党もとれるくらい、数はいると思う。ただ、性格が性格なため、ふだんは隠れているだけなのだ。

童貞党は、「童貞」という響きから、マイナスやネガティブというイメージを受けるがそんなことはない。侍魂のように、プライドが高い。
モーニング娘。を追いかけるとか、アイドルの握手会に行ったり、秋葉原に出没する、そういう人たちとも違う。ハイソサエティな洗練された人たちなのだ。
だから、盗撮などの変態行為はやらないし、当然、犯罪行為はしない。

こんなことを考えているのは、私だけではないと思う。すでに童貞党の活動ははじまっているのかもしれない。「教祖」タモリさんの番組「タモリ倶楽部」は、童貞党の聖地のような番組である。今、大人気の「トリビアの泉」もそのにおいはちょっとある。

モテるヤツはモテればいい。ただ、モテることイコール良いことではないのである。
数は多いが、見かけ上の少数政党「童貞党」もはやく認められてほしい。近いうちに、タモリ党首が立ち上がるだろう。