「負けない国」旅行記〜第3日目〜

今日もわれわれだけで車に乗って行くのかと思いきや、今日は他のツアー客も一緒だった。
といっても、ライトバンに乗っていけるほどだったが。
しかも、カップルは我々だけ。
一つは、家族。ただ年齢は上。いい年齢になって、親孝行のベトナム旅行だろう。
一人は、単独旅行。50代のおじさん。話を聞くと、ひとりでいろいろな国で行くのが趣味ということだ。結婚しているのかは聞けなかったが、いてもおかしくないくらい、どこか上品なにおいのする、嫌味のないおじさんだった。
残る二組は、OL。たぶん。
カップルから言わせてもらうと、女の二人旅ってちょっとせつないね。楽しんでるとは思う。だけど、男のにおいがしないって感じかねえ。
それこそ負け犬?
でも、それほど女のフェロモンを感じさせないということでもない。
かわいい人もいる。
ま、いいさ。どうでも。


今日はメコン川クルーズ。
車で90分ほどかかり、田舎道をひたすら行く。だけど、国道らしき道路を通るので、まったくつまらないというわけでもない。
何でも社会勉強だと思って、ずっと窓の外を見ていたが、他の客はすっかり寝てしまい、はてはガイドまで寝てしまった。
日ざしも暑いわけでなく、ポカポカ陽気なので、そうさせる。そういう空気、そういう国。


目的地到着。
今回の旅で一番強烈な客引きをされる。
わかった、わかった。買うから、買うから。そんなに必死にたどたどしい日本語で訴えるなよ。それほど貧しくもないだろう。
編み笠を買いました。これ、欲しかったのよー。しかも、知らないうちに、おまけしてくれるし。日本円にすると2つで100円もしないけど、いいの?
儲けた、儲けた。しかし、この笠の定価はいかに。半額でもいいのね。


20人くらい乗れる船にのって、ある島に到着。小さいとはいえ、そこに学校があったり、民家があったり、ちゃんとした生活を送れるようになってます。
果樹園もあったりして、南国の植物も堪能できました。
あれ?あそこににわとりがいる。
外務省から、あまり近づかないように言われてたんだけどなあ。度胸試しに、カメラでにわとりの写真を撮りました。
そういや、走る車の窓から覗いていたけど、にわとり市場あったなあ。
大丈夫なんだろうか、この辺。


フルーツ食べ放題。おいしい。だけど、ものすごい強烈な柿みたいな果物だけは勘弁。くさい。
フルーツを食べて、ベトナム茶を堪能しながら、バナナの薬用酒を飲みながら(これもまずい)、南部の音楽、演奏を見学。
どこからともなく、おじさん連中が出てきて、ギターやらよくわからない楽器を弾いている。
毎日毎日、旅行客相手に演奏してるから仕方ないが、結構テキトーに弾いたり、歌ったりしている。特に胡弓を弾いてるおじさんがテキトー。半音上がってるんだか、下がってるんだか、こけちゃうようなメロディーラインなのだ。


ここで、俺は失敗したのだと思う。今日いったいどんなものをツアーで食べるのか、よくわかってなかった。
フルーツ食べ放題で、みんな残していたので、もったいないので結構食べた。甘いもの好きだし。そのあと、15分ほど置いて昼ご飯。
そうなのだ。15分。15分で、人はそんなにものを食えない。
が、次から次へと皿が出てくる。
限界を超えていたが、なんとか完食(正確に言うと、ちょっと彼女に食べてもらった)。
しかし、帰りの船でココナッツジュース。ここで液体はキツい。さすがに、ちょっと残しました。


同じ道を車で帰る。車の中では爆睡。
夕食まで時間があるので、外でブラブラしていたら、急に体調がおかしくなった。
気力がない。熱があるわけではないが、だるい。足が動かなくなった。
途中で、アイスクリームを食べて休憩するも、回復せず。おみやげを買うつもりだったのに、それどころじゃない。
夕食も食べずに、ホテルに戻った。


それからは、あまり記憶にない。帰ってすぐに寝て、起きたら夜中だった。やっぱり辛い。
タオルを水で濡らして、おでこに乗せる。でも、頭以上にアツくなっているところがある。ものすごくアツい。
睾丸である。玉金である。別に性的な意味ではない。要するに、大事なものが詰まっていたり、通過しているのだ。
女性にはわからないだろうが。
頭と股間に冷えタオルをあて、寝ては起き、寝ては起きの夜だった。