「負けない国」旅行記〜最終日〜

朝目覚めてもいっこうに体調が戻らない。
病院に行こうかと思ったが、万が一伝染病かなんかでしばらく日本に帰れないのもなあ、という変な理由でホテルで寝てました。


昨日の夕方から寝てるわけで、そう簡単に夢の世界には行けない。
ホテルのテレビに釘付けです。ホテルのテレビは世界各地のテレビが映ります。
ベトナムのテレビもやっています。バラエティ番組もあります。
言葉がわからないのでなんとも言えませんが、あまりおもしろくありません。
やはり日本のテレビの方がかなり先に行ってます。
技術といい、企画といい。
アメリカのテレビだってそう面白いのもありませんから、日本のテレビは世界一かもしれません。
ただ、世界中の人々が日本のテレビを理解し、評価してくれるかどうかわかりません。
ベトナムのテレビは、作る方も見る方もまだ知らないことが多いようです。


頭も痛いし、リラックスできないので、日本のテレビを見てました。
NHKの衛星放送で、相撲や教育番組を見てました。
やっぱり日本のテレビはいいね。


その間、相方はひとりでホーチミン市内を散策していたようです。
今日は最終日で終日自由行動、おみやげをたくさん買おうと思っていたのですが、こんなことになってしまって残念だし、申し訳ないです。
いろんな料理も食べようと前々からガイドなどチェックしていたのに。
彼女は「チェー」というベトナム風ぜんざいを持ち帰ってきてくれました。
口の中がさっぱりしておいしかったです。


寝てばっかりも良くないし、せっかく来たのにこんなことでは、と思い、最後の気力を振り絞り、ホテルから極近のおみやげ屋にいっしょに行きました。
ベトナムで欲しかった編み笠はすでに買いました。どうしても茶器が欲しかったので、いろいろと見繕ってきました。
そこは外国人値段ではありますが、安いことは安いです。
日本でもベトナム雑貨ブームですが、同じものを買うと数倍の値段はするだろうなあ、と勝手に予想。
病気で気が動転してる割には、結構気に入ったものが見つかったので満足でした。
でも、体調はよくならないので、すぐにホテルに帰って横になりました。


ベトナムでの最後のごはんは、超高級ベトナム料理。
日本円でひとり5000円くらい。ベトナムの物価で考えると、信じられないレストラン。
地元の人も行きません(行けません)。勧められた現地ガイドの人も行ったことがないそうで、要は金持ち外国人のお店。
日本で言うと、銀座で寿司をつまむくらいの感覚なのでしょうな。
だいたい、5000円というのもビビる。私も生まれてはじめてでないだろうか。
そんな贅沢な料理なのに、この体調。
ほとんど食べられなかった。食欲がないのだ。
朝もおかゆ。昼もチェーしか食べてない。
これまで風邪をひいても決して食欲だけはあったこの俺が、のべつまくなし食べているこの俺が、食欲がないのだ。
悪い方に悪い方にタイミングが重なる。
でも、全然食べたくない。かなり残した。
お店の人も、すげえごう慢な日本人、もしくは、岸朝子クラスのグルメな日本人と思ったに違いない。ごめんね。ふだんは味にうるさくもないんですけど。
この日に限ってねえ。おかゆでいいんですよ。ほんとすいません。


最後は不本意で終わってしまったが、時間は待ってくれない。
ホテルに帰り、チェックアウトをすませ、すぐさま空港へ向かう。
送迎の車の中から、まだ行っていないホーチミンのお店を見て、「また来たいな」と思う。
意外に、ホーチミンは大きい街だと気づく。


口に何か入れたからか、少々回復してきたものの、まだふらふらする。
空港に到着。
ここで手続きに時間がかかるんだなあ、と憂鬱になる。
が、結構スムーズにいった。空港の職員の方もアットホームな感じでよかった。
やはりきれいな女性の職員さんもいるし。


ベトナムのドンを持っていても仕方がないので、空港の売店で小さくおみやげを買う。
ベトナムの雑誌、CD、パイナップルジュースを買う。


空港に到着したのが早かったので、時間をつぶす。
後ろに座っていた身体のデカい黒人男性の名前は何か、勝手に想像して、結論は「ボブ」だとか、他にも「ピエール」など、勝手に外国人旅行客に名前をつけて時間をつぶした。


飛行機に乗る。
これでベトナムともお別れ。
明日の朝早くには、成田空港に到着するのだな。
飛行機に乗った時点では、かなり体調がよくなっていた。日本に帰るということが、そんなに待ち望んでいたのだな。
今日は、飛行機で寝る。