ネコの戦術進化 〜生物兵器〜

4月に入り、周囲の環境も変わってきた。
家には妹が二人いるが、上の妹は就職が決まり、下の浪人生は結局スベりどめの大学に合格し、一人暮らしを始める。
年長者の俺は、新年度が始まっても、何も変わらない。絶望の日々。


妹が家を出るので、今日はおばあちゃんの家にごはんを食べに行った。
テレビで巨人戦を見ながら、お寿司をつまんだ。
あの高橋由伸も30歳になったか(ついこの間ジャイアンツに入ったような)と思いながら、ネコがヒマそうにしているのを見つけた。
正月に行った時は、子猫くらいだったが、三ヶ月経つとかなりデカくなっていた。


我が家にはペットがいないので、長時間遊んでも飽きない。
野球もあまり興味がないので、ネコにちょっかいを出すことにした。
ここからネコと俺の戦いが始まった。


ネコには俺のような知恵はないが、鋭い爪と牙という恐るべき武器を持っている。
近距離戦ではなかなか勝ち目がないので、まずネコを包囲して、チクチクイヤらしく攻めた。
ヤツはちょうどテーブルの下に寝転がっており、透明なテーブルクロスが地面についている。
四方をテーブルクロスで囲んで檻のようにし、かつバリヤになっているので、ヤツの攻撃を受けることはない。
クロスとじゅうたんの隙間から、割り箸袋を入れて動かし、挑発した。
ヤツは若くて血気盛ん、すぐに挑発に乗り、袋を捉えようとした。
すかさず、俺はすっと袋を抜く。
これが一つのパターンだ。


結構長く、挑発が続いた。
好奇心旺盛なヤツだからすぐに飽きると思ったが、ずっと袋を爪で捉えようとしては失敗し続けている。
一つ気づいた。俺が飽きてきた。
でも、ここで止めては、俺が負けだ。
勝手に思い、こいつが飽きるまで挑発を続けた。


10分くらいつづけた。
箸袋も爪の襲撃に会い、さすがにちょっと破けてきた。他にも袋はあるが、取り替えても負けだと勝手に思い、この袋が破れてヤツのものになったら負けというルールを勝手に作った。


ネコも挑発され続けて、だまっているはずがない。
だんだん攻撃が派手になっていく。
最初の方は軽い気持ちだったろうが、こいつは厄介だと思ったのだろう。だんだん真剣になり、そのうち全神経を集中させて、袋に向かってきた。
バリヤとなっているクロスの隙間に無理矢理手を突っ込んできて、こちらの領域に侵入してきてまでも袋を取りに来た。
しかし、取れることもなく、挟まれた手の肉球にわざと袋をちょんちょんと当ててやり、さらに神経を逆なでしてやった。


そもそも、なぜネコは袋を捕まえるのだろうか。無視すればいいのである。
確かにチラチラ動いて気になるかもしれないが、やはり習性上、気になってしまうのだろう。
俺だって、顔の前に万券がちらついてたら(しかも長時間)、さすがに気になる。


ネコも動物である。
目を合わせると怖い。なるべく合わせないようにしてやるが、たまにどんな目をしてるのか見てみると、何度か目が合う。
俺と目が合っていて、この袋を動かしているのは俺だと気づいていても良さそうなものだが、やはり動いているものが気になってしまうのだろう。
悲しい習性よのう。
しかし、動物ゆえに攻撃が早い。しかも、こっちの息遣いを認知していて、私の呼吸のスキをついて、攻撃してくるようだ。


さすがにネコも戦法を変えてきた。
袋を持っている右手ではなく、バリヤを作っている左手を不意打ちしてきたり。
後ろを向いて諦めたふりをしておいて、急襲してきたり。
違う方向を向いて、他に興味を示しだしたと思わせておいて攻撃したり。


10分以上続いた挑発戦も、突然終わった。
家の母親がなにげなくいじっていたヒモに向かって飛び込んでいった。
ヤツはより簡単に取れる獲物を選択した。
俺の勝ちだ。


と思っていたが、家に帰ってから、体中がかゆいことに気づいた。
ノミなのか知らないが、お風呂に入っても、どこかかゆみが気になる。
勝負には勝ったが、その代償も大きい。


倖田來未KM-MARKITが共演してましたが、シングルカットされるようです。
Hot Stuff feat.KM-MARKIT
KM-MARKITが地上波の音楽番組に登場することを想像するとうれしくなります。
火がついてほしいなあ。


タモリのジャポニカロゴス大泉洋出てんのかよ。
えぇ〜。
楽しみにしてたのに。
個人的に聖域を侵された感じ。違うんだよなあ。
新聞の粗い写真を見た時、金子貴俊であってほしいと思ったが(だと思ったが)。
出るからには、ちゃんと東京のタレントさんを立てなさいよ、でしゃばるなよと願いつつ、ビデオを見る。