東北修好記 〜犬やじじいに負けてたまるか 山寺〜

北海道にいると、他の県をまたぐという感覚が今一つピンときません。
北海道の隣りは、はっきり言って、青森ではなく、東京なのです。


だから、最初に仙台に来た時に、「山寺に行こう」と誘われたのですが、山寺は山形県にあるものだから、「そんな遠いところはちょっと…」と断ったのです。
ところが、JR東日本の料金表を見てみると、山寺まで1000円もしないのです。札幌から新千歳空港まで行くにも1000円以上かかるというのに(北海道は交通費が高い!)。
しかも、仙台から仙山線に乗って、乗り換えなし、しかも、快速まである。
ということで、体力の余裕があれば、山寺を登ってみたいな、と思っていたのです。


北海道はアイヌ文化が長く続いているので、日本史の教科書に乗っているような寺院や仏像はほとんどないのです。だから、大人になった今「ああ、高校の修学旅行(京都、奈良)は、もっと寺を見ておけばよかったな」と思います。
だから、松尾芭蕉も訪れたことでも有名な山寺(立石寺)は行きたかったのです。


天気は小雨。
昨日の買い物の歩き疲れが残っていて、ちゃんと登れるかどうか不安でした。
しかし、そこらへんには観光で来た、じいさんやばあさんもたくさんいるし、犬を連れてきた若いカップルもいるので、「ばばあや犬も登れるなら俺も登れる」と思い、上を目指しました。
全部で1000段近くありますが、登りはとにかく辛い。何度か途中で目指しながら、歩くこと小一時間。ようやく奥の院まで来ました。それから、ちょっと下に降りて、景色のいいところまで行き、下を眺めました。
素晴らしい景色でした。
これから、また下に降りるのかと思うと、うんざりですが、これが不思議なもので。
登るという行為自体疲れるものですが、目的地まであとどれくらいあるか知らない精神的な辛さもあるので、余計に疲れます。
しかし、下りは来た道を戻るわけですから、目的地も明らか。しかも、下りは楽ちん。というより、疲れていようがなんであろうが、自然と足が降りていってしまいます。
そんなわけで、登りにかかった時間と比べると、アホみたいに速く下っていきました。


山寺まで来たら、せっかくなので、山形駅まで行くことにしました。
山形はそばの街。果物は知っていましたが、そばは知りませんでした(北海道はラーメンだから?)。
山形駅も大きいですが、一本裏道に入ると「?」。ふつうの道です。とても、県内一の駅前とは思えません。
おいしいそばを食べ、仙台駅に戻ると、あらためて仙台は大きな街だと感じました。