雨男の一日

私の考え方は、基本的には論理的な方で、だいたいのことは科学で説明がつくとおもっている。
しかし、ひとつだけこれは科学でも説明できないのではないかという疑問を実感として持っている。
雨男の存在だ。それも、私が雨男であるからだ。


もちろん、私が家を出れば100パーセント雨が降るわけがない。曇りでいかにも降りそうという空模様の時に、私が用事で家に出ると雨が降り出し、最悪、家に帰って来た時に雨が止むというシーンに何度も会ってきた。


一番ひどい伝説は、大学祭のとき。私はその日、降水確率10パーセントの空から雨を降らせた。降水確率なんて、一般の確率の扱いと違って、80パーセントと言われれば、ほぼ間違いなく降るし、10パーセント程度なら雨なんて降るわけないのである。だが、その日、私は雲を呼んだ。


今日もずっと曇りだった。どうしても今日中にTSUTAYAレンタルCDを返却しなきゃいけないので、外に出なきゃいけない。私の思惑は、雨が降って、晴れてから行こうと思っていた。
それが、中途半端に降るなら降る、降らないなら降らないという空模様が夕方まで続いた。


しびれを切らした私は考え方を考えた。「俺が雨を降らせよう」と。どうせ、俺が出たら降るんだから。
まずは、近くのローソンまで自転車で行った。


ローソンにはいつも、自社で制作しているのかラジオ番組風のBGMがかかっている。で、たまたまかかっていたのが、平井堅。何かの有名な洋楽をカバーしているのだが、自己流にアレンジ(アドリブ入れたり)しているので、歌がいい意味でうるさいのだ。あれは、誰かものまねするぞ。「歌がうるさい平井堅」で。そのうるささは、コサキンでも取り上げそうなくらい。思わず声を出して笑うところだった。


ローソンで返却しても、雨は降らなかった。仕方ないので、近くのTSUTAYAまで足を伸ばすことにした。
まだ降らない。
さらに、GEOまで行ってみた。
やっぱり降らなかった。
西の空がちょっと明るくなりはじめたのと、時間も遅くなってきたので、あきらめて帰ることにした。


なぜだろう。なぜ雨男なのに、雨が降らないのだろう。
それはウルトラマンマックスと同じ方式なのだろう(古くは帰ってきたウルトラマン)。
ウルトラマンに変身できる能力を身につけても、自分の意志で変身し放題ではないのである。
ほんとにピンチの時に、勝手に変身するのだ。
だから、降らせようとしても降らないわけだ。俺がピンチだと思った時に、はじめて雨男になれる。


この俺のどこが科学的なのだろう。


今年のフジテレビの25時間テレビは、微妙だな。昨年の出来が良すぎたからか。予習SPからまず要らない。総合司会の鶴瓶師匠に全てがかかっている、と思う。師匠ならやってくれると思うけど、頼りすぎだと思うくらい、企画が微妙だ。
今年のフジはいろいろ騒動があって、元気がない(盛り上がれない)というのはわかるが、少なくとも今年はまるまる25時間は見ないと思う。