レコードサッサッ

うちの近くに中古レコード屋、かっこよく言うとレコ屋に入ってみた。


近くとはいえ、ほとんど入ったことはない。大学時代はほぼ毎日店の前を自転車で通過していたものだが、生まれてからおそらく2回目だろう。
私はレコードを聴ける環境にいないので、CDに用はあっても、レコードはあっても仕方ない。


店に入ると、一人の若い男が箱に入ったレコードをいじっていた。
こういうお店は、店員なのかお客さんなのかよくわからない。カウンターの中にいれば間違いないが、格好とか同じような感じだし、店員が「いらっしゃい」みたいな愛想がいいわけではないから、この人はいったい誰なのかわからない。
すると、その男がレコードをサッサッ選びだしたのだ。


レコード屋に行く人はわかるが、レコードはたいてい段ボールの中に入っている。スキマがあれば前後に押し倒したりして、ジャケットを見ることができるが、ぎしぎしに入っていると、一枚一枚上にひっぱり出さなければいけない。
普通の人はこの作業をやるのに時間がかかるのだが、慣れている人はほんとにサッサッサッサッ一枚一枚つまみ出すのだ。めちゃくちゃ早い。


これがかっこいいのだ。これやりたい。
私もいつかはレコードを聴ける環境にしたいのだが、これをやるには一つ重大な問題があるのだ。
私はものすごく握力がない。はっきり言って、女性よりない。
その他の力はあるのだが、手を握る時、どうやら違う所に力がいっているらしい。頭の中ではものすごく力を入れているのに、俺の力はどこかにいっている。


しかし、これかっこいいんだよなあ。あれやりたいなあ。