crepe from

しばらく札幌を離れるので、久しぶりに大学からの友人と会った。
別に仲が悪い訳ではないのだが、今はケータイの時代。いつでも連絡が取れるという安心感が逆に働いてしまい、大学を卒業してからはほとんど会っていなかった。
正直言うと、私にとってはとても会いにくかった。聞くところによると、二人とも順調に仕事をしているからだ。しかし、聞いてみると、私を含めてみんな同い年だが、結構それぞれ苦労していることがわかった。
まず、一人はサッカー選手でもないのに、研修中にサッカーをして、骨にヒビが入り、仕事を休んでいる。大変だと思ったが、これで労災が下りるというのだから、どんな職場なのだろう。
もう一人は、給料が安いながらも会社員をしている。実は、こいつはもっとデカい会社に内定が決まっていたのだが、自分の夢が捨てきれずに、安い給料をとった。それでさぞかし楽しい人生を送っているのかと思っていれば、先月づけで会社を辞めた。会社の経営状態もあまり良くないのだが、会社の方針も気に食わなかったらしく、潔く辞めてしまった。
俺にしてみれば、誠にもったいない話だが、それでも同じ業種が良いらしく、さらに給料が安くなっても、すでに何社からお声がかかっているという。


ススキノにあるおいしい焼き鳥屋さんで飲んだのだが、久々にあったので、まあしゃべった、しゃべった。俺はこんなに面白い人間だったのかと勘違いするくらい満足した。安月給の彼が「仕事決まるまで、お前と遊ぶつもりだったのに」と言い、嬉しいけど、てめえは、俺が仕事してないからいつでもヒマだと思ってる発言しやがって、まあ、実際ヒマなんだけど、そんなことを言うくらい、実は寂しかったのかもしれない。


もうすぐ仙台に引っ越すわけだが、別に永遠に会えないわけでもないし、すぐに帰ってこられる距離だ。これから、この三人がどういう人生になるかわからないけど、案外近いうちに(正月とか)会えるのかもしれない。


それより忘れちゃならないのは、労災中の彼にクレープを奢ってもらったことだ。別にこの男三人はアヤしい仲ではないのだが、さすがにイオンでクレープ屋の前で並ぶのはおかしいと思った。
いつかまた、彼にクレープを奢ってやらなければ。